夫婦関係は、人生において、最も深い絆で結ばれた人間関係です。
しかし、普段の生活の中だと、そのように意識する機会はほとんどありません。
時にはケンカして、お互いを傷つけ合ってしまうこともあるでしょう。
もう我慢できない!
離婚だー!!
と投げやりな気持ちになって、パートナーとの関係を諦めてしまう人も少なくありません。
令和3年の離婚件数は18 万 4,384組、同年の婚姻件数は 50 万 1,138 組。
最新の分析結果である、令和2年において、もっとも離婚をした年齢は男性が35歳~39歳、女性は30~34歳。
厚生労働省
次に多いのが、男性は40~44歳、女性は35~39歳。
特に、30代の離婚率が高いですね。
これを見る限り、3組に1組は離婚する時代というのは、あながち間違いじゃなさそうです。
たしかに、私の職場の人も、離婚してる人がけっこう多い…
誰しも、最初はみんな、離婚しようと思って結婚しているわけじゃないと思います。
そこで今回は、ビジネススキルを用いた離婚を防ぐための夫婦仲改善戦略を紹介したいと思います。
- ↑の記事で紹介している習慣ができていない
- 最近ケンカが多いかも…
- 夫婦仲をどうにかして修復したい
という、30代の夫婦は特に必見です。
ビジネスでのスムーズな人間関係の構築に使われる手法は、夫婦関係にも応用できて、かなり納得できる内容なので、ぜひ最後までご一読ください。
夫婦仲を改善させたい人の悩み
まずは、「夫婦仲がうまくいっていないな」と思う人の悩みの根本を深掘りしてみましょう。
夫婦の会話がない
会話をすることがなくなった=相手に関心がない
必要最低限の業務連絡だけをLINEなどでおこなっていませんか?
- 今日こんなことがあってね、嬉しかった!
- あそこの店オープンしたんだって!またいきたいな〜
- ちょっと!腹が立つことがあったから聞いて
このような、楽しいことや嬉しいこと、悲しいことや怒りのきもちを共有することがない会話は、会話とは言えません。
相手の感情に関心を持てなくなったり、自分の感情を相手に伝えることが面倒になったりしている人は、夫婦関係が破綻しかけていると感じているかもしれません。
話をするとケンカになる
一方で、会話がないのとは反対に、口を開けばケンカになってしまう夫婦もいます。
お互いの負の感情をぶつけ合うだけの会話は、ケンカのもとです。
ケンカばかりしていると、
私たち、全然合わない…
という気持ちが高まって、離婚の2文字が頭によぎる人も少なくありません。
どうしてケンカになってしまうのか、根本的な問題を解決策しない限り、夫婦の関係がよくなることはないでしょう。
お互い不満ばかりたまっている
ケンカになってしまう原因の1つとして、お互いの不満が蓄積されていることが挙げられます。
例えば、
- 洗濯物をお願いしたのに、全然してくれない
- 自分だけが動いて、相手はダラダラ過ごしているのに腹が立つ
- 頑張って料理を作ったのに、おいしかったの一言もない
など、相手への期待が、現実と合わないというギャップに対して、戸惑いや不満を感じることがあります。
仕事終わりに家に帰ってきて、家が散らかってるのを見ると、萎えますよね〜
私自身も夫に期待して、勝手に失望してしまうことが多々あります。
夫婦仲の悪化はコミュニケーション不足
では、どうすれば、不満をためず、ケンカもせず、「質のいい会話」で夫婦仲を改善することができるのでしょうか?
振り返ってみると、どの悩みも、ほとんどの場合、コミュニケーションに問題があるということがわかります。
悩みの根本的な原因が夫婦のコミュニケーションに関することだということが明らかなので、その悩みに沿った解決策を考える必要があります。
夫婦仲はアサーティブコミュニケーションで改善
相手の意見を尊重しつつ、自分の主張を表現することをバランスよく組み合わせた、人間関係のコミュニケーションスキルの1つにアサーティブコミュニケーションがあります。
アサーティブコミュニケーションとは
アサーション(Assertion)は、自己主張や意見を明確に表明することを指します。
自分の意見や考えを遠慮せずに率直に伝えることで、自分の権利や感情を尊重するスタイルのコミュニケーション手法のことを、アサーティブコミュニケーションといいます。
しかし、ただ自分の意見を主張することだけが、アサーティブコミュニケーションではありません。
- はっきりと伝える
- 相手を攻撃しない
- 自分を守る
- 他者の意見も尊重する
このような特徴があり、ビジネスでの人間関係の構築に日常的に使われているコミュニケーション手法です。
夫婦仲改善の具体的方法
ここからは、アサーティブコミュニケーションを使った、具体的な問題の解決方法を紹介していきます。
「ながら会話」をしない
生活の中での会話は、「ながら会話」になりがちです。
- スマホをみながら
- ゲームをしながら
- テレビをみながら
- SNSの返信をしながら
何かをしながらする会話は、今見ているスマホやゲームに意識がいってしまっています。
これだと、相手の話を聞くことが難しい状態だということがわかります。
私:「今日、娘ちゃんがね、ダンスの練習に行ったときに、先生に上手だって褒められてたんだって〜!」
夫:「えっ?なに?もっかい言って」
私:「はぁ…もういいよ…」
話をしたい相手と、なにかをしながら聞く相手とのコミュニケーションは難しく、ケンカのもとになってしまいます。
会話をしたい時は、一旦手を止めなきゃなと意識すべきですね。
今から話したいことがあるから、一旦イヤホン外して聞いてほしいな
というふうに、一言添えて、話を聞いてほしいことを伝えてから話し出します。
すると、相手も聞く体勢に入るので、会話をスムーズに始めやすいです。
また、「ながら会話」をやめるきっかけとして、テレビなし生活も有効です。
子どもがいる家庭では、子どもへの効果を紹介したこちらの記事が参考になると思います。
「ながら会話」の中でも、食事をしながらの会話は、リラックスした状態で進めやすいので、オススメです。
I(私)メッセージを使う
どうしてもケンカになってしまう夫婦は、言葉選びを慎重にすべきです。
アサーティブコミュニケーションは、相手を攻撃しないことが基本です。
とはいえ、今の自分の気持ちを伝えるつもりでも、無意識に相手を傷つけてしまうこともあるかもしれません。
そんな時に、相手を傷つけず、自分の気持ちを効果的に伝える方法として、アイ(私)メッセージというものがあります。
- イヤホンをつけたまま話を聞こうとする相手に対して
-
「イヤホンつけたままだと、話を聞いてもらえないような気がして、(私)寂しいな。外してから話聞いてもらえない?」
- 作った料理に対して、感想をくれない相手に対して
-
「この料理、(私)こういうところにこだわって作ってみたの!感想もらえると(私)嬉しいんだけど…」
- お願いした家事をしてくれない相手に対して
-
「洗濯物、今してくれたら、(私)嬉しいなぁ。早く2人で(私)ゆっくりしたいから、私はこっちするね」
依頼する時だけでなく、何気ない会話でも、普段からI(私)メッセージを使うことで、相手を傷つけることなく、簡単に自分の気持ちを表現できます。
タイミングを考える
疲れている時や、ストレスがたまり、感情がたかぶっているときには、相手を尊重しながら話をするのが難しいこともあります。
そういう時は、話合いは避け、一度お互いに離れて冷静になりましょう。
夫婦で「質のいい会話」をするには、タイミングを考えるのも重要です。
共感をしめす
良好なコミュニケーションの基本は、「共感」することから始まります。
職場での人間関係や、取引先の接待場面での会話において、「共感」することが面倒だとは思いませんよね?
ビジネスにおいて「共感」が重要なポイントであるということを誰もが認識しているはずです。
それが夫婦になると、とたんに面倒になってしまうという人がいます。
しかし、夫婦関係においても、同じように「共感」は重要な役割をになっています。
むしろ、1番大切な人との関係だからこそ、「共感」することが必要なのではないでしょうか。
解決策を模索する
お互いに夫婦関係にヒビが入っていると感じている場合、一度しっかりと話し合いの場をもうける必要があります。
その時に、具体的な目的やゴールを最初に定めることで、お互いにケンカせずに話し合いを進めることができます。
例えば
今からする話し合いは、「2人の生活をもっと幸せにするため」にする話し合いだからね!
というふうに、2人で目的をはっきりさせておくことで、話が脱線しそうになっても、もとに戻しやすくなります。
夫婦2人 VS 問題
という構図を最初にはっきりさせておくことで、お互いに対立せずに話を進めることができます。
全部使えてますか?
- 「ながら会話」をしない
- I(私)メッセージを使う
- タイミングを考える
- 共感をしめす
- 解決策を模索する
こうしてみると、実は、どの方法も、ビジネスシーンでは当たり前に使われているコミュニケーション手法だということがわかったと思います。
ビジネスでも、夫婦でも、場面は違っても、人間関係の重要性という部分においては同じです。
むしろ、結婚している人にとっては、夫婦という人間関係の方が人生において重要なの部分なのではないでしょうか?
こうして振り返ってみると、私自身、Iメッセージはよく使うけど、雑な会話してるなぁって思います。
ちゃんと会話しよっ!
仕事がデキる人=夫婦仲も改善できる
女性は共感能力が高く、コミュニケーション力が高いと言われがちです。
しかし、男性も職場では、円滑な人間関係構築のために、コミュニケーション能力を最大限に発揮して、会議やプロジェクトを進めているはずですよね。
そう考えると、本来、男性の方が、アサーティブコミュニケーションのスキルを使う機会も多いのではないでしょうか。
職場でできることが、夫婦間でできないはずありません。
1番身近で、1番深い人間関係である夫婦だからこそ、ビジネスで日ごろから使っているコミュニケーションスキルを使って、丁寧な会話を心がけて、夫婦仲を改善していきたいですね。